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自律神経の乱れが頭痛の原因になる|対策方法を知ろう

心と痛みの深い関係

カウンセリング

心理療法が痛みに効く理由

心療内科や精神科では頭痛を訴えて来院する患者さんが増えています。心の病気を治すクリニックが、頭痛治療にも高い成果を出しているのです。精神医学がなぜ痛みの問題を解決できるかという疑問を解く鍵は、心と痛みとの切っても切れない関係が握っています。体に発生する痛みの多くは、免疫応答によって生じる炎症が神経を刺激することで起きています。神経への刺激を脳が認識することにより、初めて痛みとして感じられるのです。痛みを認識する脳そのものにも同じように痛みが発生することがあります。脳の血管が拡張することで周辺神経に炎症が起きる偏頭痛は、その代表的な例です。多数の神経が集中した脳の内部やその周辺で発生する痛みは、あらゆる痛みの中でも誤作動の確率が高いと言えます。痛みを感じるまでのメカニズムも複雑化しているため、頭痛と炎症が結びつかない場合もあります。通常なら痛みは発生部位に異常が起きていることを知らせるものですが、頭痛だけは必ずしもそうと限りません。頭が痛くなる原因のうち、実際に脳の異常を知らせる症例はそれほど多くないものです。脳腫瘍や脳卒中でも頭痛は発生しますが、それ以外のケースが圧倒的に多いと言えます。前述の偏頭痛でも脳の治療が必要なほどの病変が生じているわけではありません。最も多いと言われる緊張型頭痛では、脳ではなく頭蓋骨を取り囲む筋肉の痛みと解釈することさえ可能なのです。こうした痛みは心の作用によって大きく増幅される傾向が見られます。頭蓋骨周辺から首・肩にかけての筋肉が血行不良に陥り、乳酸などの疲労物質が溜まってくると神経を刺激するようになります。ストレスが原因でこの刺激が増幅されると、脳がこれを痛みとして認識してしまうのです。心療内科や精神科では痛みを増幅させるストレス対策として、さまざまな心理療法を実施しています。痛み発生のプロセスを理解することで、脳の過剰反応も解消できるのです。

痛みは異常を知らせる信号

脳の異変を偽装した頭痛の多くは、このように実際には脳の異常がなくても発生しています。たいていの人はそのことを知り尽くしているため、頭が痛くなった程度では病院を受診しようとしないものです。市販の頭痛薬がよく売れている理由もそのへんに隠されています。しかしながらこうした痛みには、必ず何らかの理由があるものです。心の作用によって頭が痛くなったのであれば、脳よりもむしろ心に小さな異変が生じている可能性があります。すべての頭痛がそうではありませんが、痛みは心が発する危険信号だと考えることで心の病気の予防につながります。精神医学の分野では、形を持たない心も一種の臓器として扱うことでさまざまな病気を治しています。心臓や脳や胃腸などと同様に、心にも異変を察知するためのセンサーが張り巡らされているのです。このセンサーはいろいろな方法で異変を知らせてくれますが、痛みは他の臓器と同様に最も効果的な危険信号となります。心には形がないために、あたかも脳に痛みが生じているかのような方法で異変を伝えているのです。頭痛の原因をこのように考えることで、心の病気の兆候を察知することが可能になります。精神疾患の多くは初期症状として頭痛を伴っているものです。その原因は仕事に関わる精神的ストレスだったり、不規則な生活から来る身体的ストレスだったりします。この段階で心療内科や精神科での治療を受けていれば、心の病気を発症するには至らないものです。心の働きひとつで強まったり弱まったりするところを見ると、痛みというのは意外に主観的な現象とも言えます。心療内科や精神科が行なう心理療法とは、単に頭痛の症状を解消させるだけの治療法ではありません。目に見えないメッセージを読み解くことで心が健康な状態に戻るため、結果的に痛みが軽減されているのです。精神医学が頭痛を解決できる過程には、以上のような深い意味が隠されているのです。